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トルストイ「戦争と平和」
戦争と平和 1 (1)
たまには大作でも読もうと思って読んでみた。
泣きたいくらい長かった。
タイトルからして、戦争の悲惨さでも訴えてるのかと思ったが、全くそんなところはなかった。
つまりそういう時代の作品である。

内容は、愛だの結婚だのについて語られているメロドラマの部。
時代の風雲児ナポレオン率いるフランスとロシアの会戦を描く戦争の部。
主人公達の精神世界が描かれる魂の部、に分かれると思う。

メロドラマの部は、ロシアの貴族社会の結婚が主に描かれている。貧乏貴族はとにかく金持ち貴族との縁組を熱望する。ここには平民と貴族の恋なんて入り込む余地はない。貴族社会でもこれだけの貧富の差があるのだから、農民達の苦しさなどは想像を絶する。しかしトルストイ自身、富裕な貴族なのでそんなこと知ったこっちゃないって感じである。この部分は読むスピードも各段に上がる。

次に戦争の部。これは仏VS露の、アウステルリッツの会戦、ボルジノの会戦が描かれている。
歴史好きな私には興味深く読めた。しかしここでトルストイは歴史学者たちの歴史観に執拗にケチをつけまくるので、だんだんそれがうっとうしくなってきた。彼いわくナポレオンは偉大でもなけれりゃ英雄でもないだだの大犯罪人で、英雄はロシアのクトゥーゾフ将軍だけなのだ。(さすがに自国の皇帝に対しては明確な批判は避けている。)ただナポレオンが18世紀末ヨーロッパに与えた影響がものすごかったことだけは痛いほどわかった。

そして精神の部であるが、これは主人公のピエールと、アンドレイ公爵の精神世界を描いてる。私から言わせると、これは何ひとつ不自由ない貴族のソウウツ病である。何千の農奴たちの上に成り立つ生活だからこその憂鬱なのだ。この部分は読んでいても面白くなく、こっちが鬱になりそうだった。とにかくピエール(トルストイがモデルらしい)の行動のわけわからなさには、いらつくほどである。

この本には、総勢559人の登場人物がいるらしい。とにかく多かったけど、こんなにはいなかったような気もする。1巻2巻での登場人物の登場のさせ方は、面白い。あるシーンで、何気なく登場した人物が次のシーンでは、メインになっていたりする。ここらへん、さすが文豪!って感じである。
刊行前のタイトルは最初「終わり良きものすべて良し」だったらしい。だが物語の方は、中盤の盛り上がりに対して、最後はフェードアウトの如く寂しく終わっていく。読んだあと空虚な気持ちに陥った。これも計算か?
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【2005/04/24 17:40】 | トラックバック(1) | コメント(0) | edit
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