かげろう
2003年 英・仏
アンドレ・テシネ監督 エマニュエル・ベアール ギャスパー・ウリエル
独軍によるパリ占領により人々は南仏へ逃げ急ぐ。主人公の未亡人は、息子と娘を連れて逃げる途中1人の青年と出会う。彼と行動を共にするようになった一家は空家となった邸で一時的に生活することになる。この青年は食料の調達をしてくれたりするが、謎が多く、犯罪まがいの行動も平気でやってのける。
写真からもわかるように、未亡人と青年が恋に落ちるのだろうと察しがつくが、青年は17歳と若すぎる。(息子は13歳なのだ)
結局、2人は結ばれる。良かった良かったと思いきや、状況は一変する。いつものように食料の調達に行った青年が憲兵に捕まり、一家も収容所のようなところに入れられる。実は彼は感化院を脱走したお尋ね者だった。
数日たって、未亡人は青年が首を吊って自殺したことを聞かされ、呆然とする。
衝撃的な結末で終わるので、いったいなぜ青年が自殺したのかが、頭から離れない。感化院に戻されることに絶望から?でも、彼はサバイバル術に長け、生きることに人一倍執念を燃やすタイプなのだ。そんなことで絶望するとは思えない。
しいて考えると、彼の刹那的な一面がそうさせたのかもしれない。そして、タイトルの「かげろう」は未亡人の前に一瞬あらわれた青年のことを指すのかも・・・
作品は南仏の美しい自然をバックに描かれている。主役のエマニュエル・ベアールがこれまた美しい。そして注目の青年役ギャスパー・ウリエルだが、丸刈りの為か彼の美少年度は私には解らなかった。(結構印象薄い顔です。何作か観たらわかるかも。)
全く先の読めない展開で釘付けになった作品でした。
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