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ブルー・ブラッド
ブルー・ブラッド―ヨーロッパ王家の現代史
山下 丈

ブルー・ブラッド―ヨーロッパ王家の現代史
ビザンツ皇妃列伝―憧れの都に咲いた花 (白水uブックス) ヨーロッパ王室の女たち ―愛と欲望の裏面史 (中経の文庫)
by G-Tools




ブルー・ブラッド
非常に読み応えのある本でした。
以前に『ロマノフ家の最期』を読んで、ニコライ2世一家の処刑やアンナ・アンダーソンのことをもっと知りたくなったのだが、この本はその要望をかなり満足させてくれた。
第1次大戦の頃のヨーロッパは英国ヴィクトリア女王を中心としてその子、孫が各地の王室に嫁ぎ、特にドイツ、ロシア、イギリスのつながりは強く、身内といっていい関係だった。この3国についてコアになる人物を中心に書かれているが、それが実に面白い。本の最後にこの3国の王室の系図があるのだが、これがかなり役にたつ。
この本ではバッテンベルク(マウントバッテン卿)の由来について詳しく書かれているのだが、なぜ貴賎結婚の子孫にこうも焦点を当てるのか不思議でしょうがなかったのだか、エリザベス女王の夫フィリップ殿下がこの名前を名乗ることになり、他にもイギリス王室の中にマウントバッテンが入ってる人がいる!そういうことなんですね!ということで、現王室の名前の由来を知るにはもってこいの内容でもあります。
この3国の中で、王室が残ったのはイギリスのみである。思うに、幾多の革命や戦争を乗り越えて残った王室というのはかなり強いと思う。この平和な時代に「王室は必要か?」とかいうアンケートがよくなされるが、「いや、なくならないでしょ」と思う。日本の天皇家もしかり。現代において廃止の理由といったら、税金のムダとかそんな程度の理由しかなく、イギリス王室は莫大な財産を持っていて、国家からもらわなくったって、全然やっていけますから!てなもんである。逆に国に払っている税金の方が高いような・・・。調べていくうちに、エリザベス女王の離宮というコラムを見つけた。彼女は6つも城をもっているんですね~。それはゆくゆくはウィリアム王子夫妻のものになるのですね~。ふふふ~ははは~。(笑うしかない)。このサイトのエリザベス女王にまつわりエトセトラにこんなQ&Aがあった。
Q.エリザベス女王は、ハンドバッグを使ってお付きのスタッフに意思表示をすると言われている。ディナーの席でバッグをテーブルの上に置いたら、それは5分以内に立ち去りたいということ。では持ち手を変えたときにはどんなことを訴えている?
A: 誰かと話をするのに飽きた。
ちなみにエリザベス女王の伝記を執筆した作家によると、女王がいつも手にしているハンドバッグの中には、老眼鏡、ミント・キャンディー、万年筆、手鏡、口紅、教会への寄付のための紙幣などが入っているのだとか。

飽きたって・・・。もしこのことを相手の人が知ってた上で、持ち手変えられたら・・・悲しい(涙)

まあイギリスはこのくらいにして。
問題は悲劇のロマノフ家である。
この本によると、皇帝一行はサンクトペテルブルクからトボリスク、さらにエカテリングルクへ移送され、イパチェフ館で一家全員射殺された。そして遺体の始末に手間取る。皇太子アレクセイと3女のマリア皇女の遺体は焼かれたが、その他の遺体は硫酸をかけて埋められた。これはソビエト(革命側)政府と白軍の争いがまだ続いており、白軍が間近に迫ったことで、皇帝一家を奪い返されることを危惧したレーニンの指示によるものである。その後皇帝一家以外の皇族も別の場所で処刑されていることから、ソビエトの方針に容赦はない。ただ皇帝一家にはトボリスク移送以前に亡命の機会はあったのにと思うと残念である。この当時のヨーロッパではテロであっても、関係のない夫人や子供まで巻き込まないように配慮していたようである。だからソビエト側の皇帝と皇太子は処刑したが皇后と皇女達は無事であるとの嘘の発表も当然のように受け入れられたと思われる。
 イパチェフ館では近距離からの発砲を受けても皇女や皇太子はなかなか死ななかった。それは異常な生命力というよりコルセットの中に縫い付けていた多くの宝石で守られたせいでもある。結果、死んでいない者は銃剣で何度も刺されて絶命した。そして遺体はトラックに積まれて運ばれる。アナスタシアが逃亡するとしたら、このトラックで輸送されてる間、関係者がトラックから離れた一瞬という仮説となる。自分はアナスタシアだと主張し続けたアンナ・アンダーソンにはこの間の記憶はなく、誰かに助けられ、馬車の荷台に横たわってルーマニアにまで運ばれたということである。その後ベルリンで川に身を投げたところを助けられ、病院に入れられ、しばらくたってからアナスタシアだと名乗りだす。彼女が本物か偽物かを見極めるために、何人もの関係者が彼女と面会する。中でも身近な存在であった家庭教師のジリヤールは彼女は偽物だと証言する。皇帝一家と共に殺された侍医ボトキンの息子グレプは彼女は本物であると証言し、そののちずっと彼女を支援することになる。ニコライ2世の母親であるマリア皇太后は彼女との面会を拒み続けた。それは彼女が本物であるということは皇帝一家の虐殺は事実ということになり、皇帝一家がどこかで生存していると信じる彼女の説を打ち消すことになるからである。また次期ロマノフ家の当主の問題等もあって彼女は面会をしなかった。たまにしか会っていない親戚と違いこの3人の見解は大きな意味を持つと思う。しかし本物説を展開するグレプ他の支援者はロマノフ家の財産を継ぐ権利がアンナにあるという立場をとり、金銭目当ての感も否めない。一方否定説をとるオリガ大公女、クセニア大公女達も自分たちの取り分を確保するために否定しているといえば、そう思えなくもない。しかし、どちらにしてもロマノフ家の遺産はあまりなかったようである。(もちろん一般庶民からみたら相当の額はあったと思うが・・・)亡命したマリア皇太后の生活費をめぐっては、実家のデンマーク王室は彼女に宝石を売って生活費を工面するように要求したが、それを拒んだ皇太后のために仕方なくイギリス王室が彼女の年金を払うことで決着がついたくらいである。どちらにしろドイツの裁判所での判決は彼女が本物であると断定できないというものであった。それまでにも本人かどうかを判断するために彼女と面会した人達は手ぐすねひいた状態で嘘なら暴いてやろうと、本人しか知らない質問を投げかけたに違いなく、それでも偽物であるとは言い切れない部分があったのが不思議である。だれかが彼女に入れ知恵していたのだろうか。
 DNAの鑑定からも、彼女は赤の他人であると結果が出たようであり、いったいどうしてこんなことになったのか。死ぬ前に手記でも書いてほしかった。

再びイギリス
 エドワード8世とジョージ6世について読んでいると、「英国王のスピーチ」とhuluで観た「ロスト・プリンス」というドラマを思い浮かべる。特に「ロスト・プリンス」はエドワード8世とジョージ6世の末の弟ジョニーが主人公で英国王のスピーチの中でもチラッと会話の中ででてくる存在である。彼はてんかんと自閉症を持っていて、人前に出すのを気にした母親が彼だけ別の屋敷に住まわせ、そこで親身に世話をする乳母のララと彼を中心とした地味な物語である。しかし立場が立場だけに、出てくる人はほとんど皇族や首相と背景が派手なのである。そしてその中にはイギリスに訪問したニコライ2世一家もいたりする。(ここではニコライ2世は優柔不断、アリックスは神経質に描かれている。ニコライ2世は写真撮影ですらあっさり写ることができない)ジョニーと仲良しの兄が1人だけいるのだが、それが誰であるのかが忘れてしまった。ジョージ6世?だったのかな?とにかく利発な王子だった印象。
話は戻ってエドワード8世。人気はあったようだが、どうも空気読めない人な印象である。シンプソン夫人の前につきあっていたのも人妻だったらしいし、次期国王の自覚薄いのである。退位してからも、財産は相当あったにもかかわらず(皇太子時代に所領からの収入がかなりあった)年金をもらわずにはやっていけないと新国王にお願いし、信じた新国王が年金を決めると、大蔵省から「そんなはずはない、財産は相当あるはず」と逆に突っ込まれたりするはめになる。そしてヒトラーとも親交があったりと、かなり危なっかしいキャラである。彼が国王をさっさとやめたのは、英断だったのではないでしょうか。
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【2012/11/27 23:05】 | トラックバック(0) | コメント(1) | edit
本「床下の小人たち」
床下の小人たち (岩波少年文庫)
床下の小人たち (岩波少年文庫)


原題:BORROWERS メアリー・ノートン著

ジブリの次回作「借りぐらしのアリエッティ」の原作です


<あらすじ>
ケイトはメイおばさんから、おばさんが子供の頃に弟から聞いた
床下に住む小人たちの話を聞く。

それは弟がリウマチで療養していた親戚のソフィおばさんの
家の床下の話。
その床下にはポッドとホミリー、アリエッティの親子3人が暮らしていた。
アリエッティのお父さんであるポッドは床上から「借りて」くるの
が得意だ。たとえば人形用の食器だとか、帽子のピンだとか、
ビンのふたとか、そんなものだ。
でも「借りて」くるのは大変な作業である。
なにせ、人間に見られてはいけない。
見つかると、移住しなければならなくなるから。
アリエッティの母親は今の住みかが気に入っている。
暖かくて、食べ物にも困らず、アリエッティを育てるのにも
いい環境だからだ。彼女はアリエッティが本を読むことが
できるのを自慢にも思っている。

ある日、アリエッティはお父さんと一緒に床上に借りに行くことに
なった。初めて出た地上に浮かれたアリエッティは桜の木の下で「男の子」
に見つかってしまう。2人は話をするのだが、アリエッティは
この世の中には小人はたくさんいるが、人間はちょっとしかいない
と主張し、男の子は、人間は何億といるが、小人なんて他にはいないと
主張する。そこでアリエッティは他にも小人がいることを証明するために
ちょっと離れたやぶに住んでいるという親戚のヘンドリアリおじさん宛てに
手紙を書き、それを「男の子」に運んでもらうことにする。手紙は玄関の
靴ふきマットの下において置くと約束する。
手紙を置きに行くチャンスを待っていたアリエッティは
4日後にやっと手紙を置くことができる。
男の子は約束どおり、手紙を運び返事を持ってきてくれるが
そこには「おまえのルーピーおばさんに帰るように言ってくれ」と
書かれていた。つまりヘンドリアリおじさんの妻であるルーピーおばさんが
行方不明になっているということだ。
しかし、ポッドたちはそのことよりもアリエッティの軽率な行動で
男の子に居場所を知られたかもしれないことに動揺する。

その夜、床がはがされる音でホミリー達は大騒ぎになる。
しかしそれは男の子が、人形用の食器ダンスやいすを
差し入れにきてくれたのだった。最初はいぶかしがっていたホミリーも
どんどん物が運ばれてくるにつれて、大喜びする。

アリエッティはひまな時に男の子に本を読んであげる。

しかし、男の子があまりにもいろんな物を持ち出したために
意地悪な料理人のドライヴァおばさんが気づいてしまう。
おばさんは夜中寝静まってから、こっそり台所に行ったときに
床下に何か光るものを見つけ、板をこじ開ける。
そして小人を見たと大騒ぎし、床下に隠してあったガラクタを
取り出してしまう。
男の子は騒ぎが静まってからアリエッティ達を別の場所へ移そうとするが
再度ドライヴァおばさんに見つかってしまい、3日後にインドへ出発するまで
部屋に閉じ込められてしまう。ドライヴァおばさんはねずみ駆除の業者やらを呼
んでアリエッティたちをいぶしだそうとする。しかし男の子は一瞬の隙をついて
アリエッティ達の住みかとつながっている格子戸をつるはしで叩き壊し、アリエッ
ティ達の逃げ道を確保する。しかし彼女たちの無事は結局確認できないままに出発する。

その後、弟からその話を聞いたメイおばさんはアリエッティ達が移住したと思わ
れるやぶを探しまわったりしたが、彼女たちの姿を見ることはなかった。しかし
置いておいた彼女たちへの贈り物の袋が翌日にはなくなっていたり、何かの料理
の匂いはしたという。そして極めつけにアリエッティが持っていたメモ帳を発見
したという。そこまで聞くとケイトはその存在を確信するのだが、メイおばさん
は「そうでもない」という。
「アリエッティの「も」という字には癖があったのだが、「弟にも同じ癖
があったのさ」


<感想>
「借り手」「借用者」原題のBORROWERSの意味だ。
この話では「借りてくる」という言葉がよく出てくる。
まあ人間界でいえば「失敬する」的な行為なんだけど。

アリエッティは本を何冊か持っていて(豆本みたいなもの)
中にはメモランダムというタイトルの真白で何も書かれていない
本もある。
私はこのくだりが最初に気に入った。
人間がぞんざいに使っているものでもアリエッティにとっては大事なものなのだ。
だがこのメモ帳の存在が最後の重要なキーアイテムとなる。

実は私は最後の1行でひっくり返りそうになった。
えーっ、弟の空想話だったの?なんなの?という終わり方で、謎に包まれたまま
終わるのである。
原書で読むとまた違う感じなのかもしれないが、ほんとに眠気も覚める
終わり方である。
そしてここに、作者の遊び心がふんだんに出ていると思うのだ。


(私はこの終わり方に「スイミング・プール」というフランスの映画を
思い出した。この映画も負けず劣らず「えっー!?」度は高いのである。
是非一度は見て欲しい)

スイミング・プール 無修正版 [DVD]
スイミング・プール 無修正版 [DVD]


果たしてジブリがこの結末をどう描きだすのか?
非常に楽しみである。




Kari-gurashi~借りぐらし~(借りぐらしのアリエッティ・イメージ歌集アルバム)
セシル・コルベル
B0036W3X6C



【2010/03/20 20:24】 | トラックバック(0) | コメント(-) | edit
『グイン・サーガ』
ノスフェラスの嵐―グイン・サーガ(19)
ノスフェラスの嵐―グイン・サーガ(19)
最近ずっとグイン・サーガを読んでいます。
やっと25巻まで到達しました。
長編シリーズで今122巻まで出てるので先は長いのです。

1~25巻まで読んで
ベスト・オブ1~25巻は
19巻「ノスフェラスの嵐」です。
これがいいのです。

その後の巻でも、スカール様御一行の話には泣かされっぱなしです。
何といってもスカールとグル族との結びつきの強さ。
通勤途中の地下鉄で泣けて泣けて困りました。

泣けるシーンは
1.ノスフェラスからの帰りに衰弱しきったスカールは仕方なく、グル族とはな
ればらばらに故郷アルゴスをめざすことになる。スカールの旗本隊から外された
族長グル・シンが追いすがるシーン。グルシン~(涙)

2.リー・ファが死に、呆然自失のスカールの言葉。
「教えてくれ、ファン・イン。りー・ファを、どうしたものだろう。・・・連れてゆくわけに、ゆくまいし、といって、こんな淋しい街道ぞいに、たった一人眠らせては、あまりに淋しがるだろう。これは、なつこい奴だったからな・・・」りー・ファ~~(涙)

3.リーファの骨を持ち帰ったスカールへのグル・シンの言葉。
「もう、さしあげる娘がございませぬのが・・・」
シンの声がわずかにふるえた。

グルシン~(涙)(涙)

そりゃぁ、アルド・ナリスだのリンダだのパロの美しい人たちもいいんだけど、
胸を打つものはあんまりないんです。
グインも危なげなさすぎて、面白みにかけるし。
やっぱ、草原の鷹御一行はドラマチックなんだよね。
今後が楽しみ。
スカールの恨みをかったイシュト、怖いぞ~。
【2008/11/01 11:22】 | トラックバック(0) | コメント(-) | edit
本「ロマノフ家の最期」
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ロマノフ家の最期
ロマノフ家の最期
1917年7月 ロシア皇帝ニコライ2世一家の消息が途絶えた。
果たして彼らはどこで処刑されたのか?
この本は、2人のBBC記者が当時の捜査資料をもとに検証を行ったものである。
1970年代に書かれた本なので内容は古い。(DNA鑑定がない時代である)
しかし詳細に検証された内容はかなり読み応えがある。

初期の捜査では一家は最後に幽閉されていたエカチェリンブルクのイパチェフ館で射殺され、4人兄弟とよばれる鉱山の廃坑で焼かれたと見られている。
しかし、残骸とされるものには、服のきれはしや宝石のかけら、人骨とおぼしきかけら(一体分もないとされている)切断された指1本(侍医のものと推定されている)と皇女の愛犬の死骸だけ。
皇帝一家は皇帝ニコライ2世、アレクサンドラ皇后、オリガ、タチアナ、マリア、アナスタシア4人の皇女、アレクセイ皇太子、侍医ボトキン、従者3名の11人で構成され、遺留品やイパチェフ館の弾丸数からはとても11人もの人数が殺されたとは思えなかった。
しかも当時はボリシェヴィキ(共産派)と白系ロシア(帝政派)の戦いの最中で処刑されたことにした方が都合がいいという思惑も働き、処刑を偽装したとの見方もあり、真相は混迷をきたした。とにかく遺体がなかったのである。

そして皇帝一家が処刑されたとする日から18ヶ月後、ベルリンで橋から身を投げ警官に助けられた女性が、自分はアナスタシア皇女であると告白した。このニュースは世界各地で一大センセーションを巻き起こした。
彼女がアナスタシアなのかどうかを巡って論争は繰り返され、長期に渡る裁判が行われた。裁判は遺産をめぐってというより、存在を立証するという色合いが強かった。世界一の富豪とされたロマノフ家だが、その遺産は莫大とはいえなかったからだ。
この本ではこの女性アンナ・アンダーソンが本人である可能性が高いという結論に達している。彼女はアナスタシア本人しか知らないような事実を知っているからだ。
もし偽装だとしても、40年も続けれるものではない。

さらに違う角度からも検証は続く。

続きを読む
【2008/03/20 11:07】 | トラックバック(0) | コメント(4) | edit
ライラの冒険Ⅲ「琥珀の望遠鏡」
琥珀の望遠鏡―ライラの冒険シリーズ〈3〉
琥珀の望遠鏡―ライラの冒険シリーズ〈3〉
2000年
フィリップ・プルマン著

3巻になると、ややこしさは最高潮に達しました。
今まで登場してきた人がどんどん再登場するし、移動が激しくて今どこの世界にいるのかもわからなくなってきます。
ただしラストに向けては最大限に盛り上がりました。

ライラとウィルが死者の世界に行って、幽霊たちを解放してあげるところなんかは、ゲド戦記の「アースシーの風」にも同じようなエピソードがでてくるんですが、ここらへんは宗教観がでてるなと思います。
というか、ストーリー全体を通してオーソリティ(まぁいえば教会組織)を敵にまわして、新しい世界を築き上げようとする壮大な計画は、キリスト教に対しての宣戦布告のようでもあり、ここらへんは児童文学と呼ぶには渋すぎるなと思うのです。

映画化するにあたって敵をどういうふうに設定するのか、興味深いです。
【2006/12/04 00:27】 | トラックバック(1) | コメント(0) | edit
ライラの冒険Ⅱ「神秘の短剣」
神秘の短剣―ライラの冒険シリーズ〈2〉
神秘の短剣―ライラの冒険シリーズ〈2〉
1997年 フィリップ・プルマン著

2巻ではウィルという少年が出てきます。ウィルが住むのは私達の世界です。
主人公はライラとウィルの2人になります。 

ウィルが別の世界に通じる窓を見つけ、通り抜けた先でライラと会うのです。
2人が出会う街チッタカーゼはライラの世界でもなく、ウィルの世界でもない、別の世界です。つまりこの本ではいろんな世界が存在するのです。世界間は通じる窓さえあれば、行き来できます。
そしてこの窓を開けることができるのが「短剣」です。
ウィルがこの短剣を自由に操れる「守り手」となります。ライラは「真理計」の使い手ですから、それぞれに持ち道具があるという設定です。

3巻全部読んでみて、この2巻が一番読みやすくて面白かったです。
【2006/12/04 00:22】 | トラックバック(0) | コメント(0) | edit
ライラの冒険Ⅰ「黄金の羅針盤」
黄金の羅針盤
黄金の羅針盤
1995年 フィリップ・プルマン著 

映画化が決定したと聞いて早速読んでみました。
「今世紀最大のファンタジー」と賞されてるそうです。



ライラの冒険シリーズは3巻からなっていて 
1巻の舞台は、われわれの世界と似た世界であるが、多くの点で異なる。
2巻の舞台は、われわれが知っている世界。   
3巻は各世界を移動する。 
と、なっています。
これって、昔のドラクエであったような設定ですね... 

ストーリーは少女ライラが、次々と街から連れ去られた子供達の謎を追って北極への冒険へ向かう話です。子供達の事件と関連して、北極で発生するダストの謎、監禁されたアスリエル卿の救出などいろいろな要素がからんできます。

この話のもっとも面白いところは、この世界の人間が皆それぞれのダイモン(守護精霊)を持っているということです。
ダイモンはたいていは小動物で、言葉もしゃべれます。原則、男性はメスの、女性はオスの、つまり異性のダイモンを持っています。
人とダイモンは離れられない存在で(距離的にも離れられない)、主人が死ぬとダイモンも死にます。
主人が子供の頃はいろいろな動物にくるくると変身するのですが、大人になったら固定してしまいます。このことは物語の重要なカギになっています。
人とダイモンは本来切り離せないもので、ダイモンのいない人間は顔のない幽霊のようなもので、大変気味悪がられます。
物語の中でも、主人公のライラはもしダイモンがいなくなったらと思うだけで悲しくなるほどなのです。ダイモンを持っていないくまに対して非常に気の毒に思ったりします。

私にもこういうダイモンがいてくれたらなぁと、かなり羨ましくなりました。

現在2巻「神秘の短剣」を読んでますが、2巻はもっと面白いです。
私は本来ファンタジーなるものがあまり好きじゃないのですが、かなりはまってしまいました。
ファンタジー好きにはかなりオススメです。
【2006/11/11 22:28】 | トラックバック(0) | コメント(2) | edit
本「疾走」 重松清
疾走
疾走
 

同じ作者の書いている「流星ワゴン」を読んでいたから、この作品もポップな感じなのかと思ったら大違い。あまりにもヘビーな内容に圧倒された。読み終わって脳がしびれた。
よくこんなの映画化できたなと思う。 

シュウジは酒に酔った席で「鬼ケンが生きていたら・・・」と思わず漏らすシーンがある。
実際ただのチンピラだった鬼ケンが生きていても、たいして変わらなかっただろうとは理屈ではわかっていても、思わずにはいられない。
彼の気持ちがわかる気がする。  

不幸に不幸にと転がっていく彼の人生だけど、不幸な出来事は全部つながっている。人生において起こる事には全てにそうなるべく要因がある。むしろその要因が全て揃った上で事件は起こるのだ。
そう考えると、鬼ケンが生きていたら、シュウジの周りで起こった不幸なことのいくつかの要因は消えていたかもしれない。もしかしたらもっと悪くなったかもしれないけど。
でも私も鬼ケンに生きていて欲しかったと思わずにはいられない。
鬼ケンが生きていた頃は幸せだったから、彼が生きていたらあのままでいられるかもと思う願望なのかもしれない。

疾走 スペシャル・エディション (初回限定生産)
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流星ワゴン
流星ワゴン
レビューはこちら   
【2006/09/21 00:05】 | トラックバック(4) | コメント(2) | edit
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~
東京タワー ~オカンとボクと、時々、オトン~


泣ける泣けるとは聞いていたが、やっぱり号泣してしまった。

私はTVでたまに見かけるリリー・フランキーっていう人に対して、「なんだ?この人」とか「なんだ?その名前」程度の印象しか持ってなかったのだけど、読み終わったら一転、「フランキーさ~ん!」と握手したくなるくらい身近に感じるようになってしまった。
自伝ってたまにこういう風におっそろしいパワーを発揮するものなのですね。

一番いいなと思ったのは、最初の方にオカンの
「相手に恥をかかすのはよくないが、自分が恥をかくのはかまわない」
ような考え方が書かれていたと思うのですが、これってすごくいいなと思った。
こういう考え方する人ばかりだと、世の中素晴らしくなると思う。

延期になってるドラマもはやく放送してほしいな。
【2006/09/17 23:40】 | トラックバック(0) | コメント(0) | edit
「ダ・ヴィンチ・コード」
ダ・ヴィンチ・コード(上)
ダ・ヴィンチ・コード(上)


やっと読んだ。
(上)と(下)の3分の1までは無茶苦茶面白くって本から目が離せない状態だったのだけど、その後急激に冷めてしまった。
そんな人は多いんじゃないかと思う。
途中から違う人が書いたのかと思うくらい陳腐に感じた。登場人物に意味深な行動をとらせたあげく、その理由付けがとってつけたようだった。

まあ、映画「ダ・ヴィンチ・コード」の公開日にフジTVでやってた「天才ダ・ヴィンチの謎と~」ってSP番組を見てしまったせいもあるんですけどね。
あれは面白かった。
【2006/08/18 00:45】 | トラックバック(0) | コメント(2) | edit
ゲド戦記Ⅲ  さいはての島へ
ゲド戦記 3 さいはての島へ
ゲド戦記 3 さいはての島へ
The Farthest Shore 1972

3巻ではゲドはとうとう大賢人となり、ロークの学院長になっている。
そんな彼のもとにエンラッドの王子アレンが訪れる。アースシーのあちこちで魔法が力をなくしているというのだ。事態を深刻に受け止めたゲドはアレンを伴って原因をもとめて「はてみ丸」に乗ってあてのない航海にでる。

1巻2巻もわかりにくくはあるがまだ理解できたが、3巻になると抽象的すぎて理解に苦しんだ。
読むのもひと苦労だった。 

一転、18年後に公表された第4巻は王となったアレンとゴントに帰郷したゲド、ゴントで暮らす腕輪のテナーのその後の話なのだが、こっちは非常に読みやすく同じ作者が書いたとは思えない。

映画化されるのは3巻だが、3巻にはゲドとアレンしか登場しない。
でも映画にはテナーやテルーも登場するので3巻だけでは地味すぎたのかも。
抽象的な「死」や「生」というテーマをどういう風に映画で表現したのか多いに気になるところだ。
【2006/06/24 13:22】 | トラックバック(0) | コメント(2) | edit
ゲド戦記Ⅱ こわれた腕輪
ゲド戦記 2 こわれた腕環
ゲド戦記 2 こわれた腕環
 

1巻とは全然関係のないようなところから話が始まり、どうつながるのか?と思ってたら、じゃじゃーん、中盤でゲドが登場。ちょっと嬉しくなる。傲慢な若者だった彼が人間的にかなり成長しているのもまた嬉しい。

一方、主人公のテナーが傲慢で生意気に描かれている。この作者にとって若い=傲慢なのか?とか思ってしまう。

相変わらず暗闇の支配する世界とか、名なき者たちとか抽象的な存在が多く、イメージを掴むのは大変である。

<あらすじ>↓
続きを読む
【2006/06/20 22:22】 | トラックバック(0) | コメント(0) | edit
ゲド戦記Ⅰ 影との戦い
ゲド戦記 1 影との戦い
ゲド戦記 1 影との戦い

児童文学と思いきや、読んで見ると内容は哲学的に深いものがあった。影とは単なる邪悪なものではなく、自分の中の悪なものを意味し、まさに己との戦いという感じだった。

1巻「影との戦い」と読んでいる途中、ゲドってどんなキャラなのか見てみたくなり「ゲド戦記」のサイトを覗いてみた。
実は映画化されるのは3巻だとわかり、まだプロローグかぁと思いつつ、映画「ゲド戦記」について書かれた鈴木プロデューサーの記事を読んだ。
読んでるうちになんだか熱いものを感じてしまった。
まず宮崎駿が実は「風の谷のナウシカ」よりもはやく映画化したかたのはこの作品だったということ。原作者から承諾がおりなかったので実現しなかったそうなのだ。
さらにジブリの作品はこの「ゲド戦記」にインスパイアされてるものが多いということ。
そして極めつけは、宮崎駿がこの本を枕元から離したことはなく、困ったときに何度ひもといて読み直したかわからないという話。
宮崎駿にそこまで言わせしめる原作って・・・・
それだけで感動してしまった!! 

「鈴木プロデューサー ゲド戦記を語る(1)」 

<あらすじ>↓
続きを読む
【2006/06/13 14:31】 | トラックバック(3) | コメント(6) | edit
夜のピクニック  恩田陸
夜のピクニック
夜のピクニック


 
夜にピクニック?
読んでみたら何のことはない高校の夜間歩行の話でした。




高3の主人公達にとっては最後の歩行祭。
一昼夜歩き続ける登場人物たちの何気ない会話や人間関係が面白い。

主人公が、この先この道を2度と歩くことはないんだなぁとかここに座ってこの景色を見ることはないんだぁとか、いちいち感慨を覚えるのが、わかるわかるって感じだった。
自分もそういうことしみじみ考えるほうだったな~。

そして歩行祭の終わりと同時に話も終わり、こっちまで「終わったかぁ」と寂しくなってしまったのでした。

この作者の人、夜間歩行経験者なんだろか?
【2006/06/10 13:46】 | トラックバック(0) | コメント(0) | edit
ユリウス・カエサル ローマ人の物語Ⅳ
ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前
ローマ人の物語〈4〉― ユリウス・カエサル-ルビコン以前


今年に入ってからただひたすらに塩野七生の「ローマ人の物語」シリーズを読んでいる。
もう面白いのなんの。
2巻の「ハンニバル戦記」も面白かったけど、4・5巻の「ユリウス・カエサル」も面白い。

そもそもローマ帝国に興味を持ったのはローズマリ・サトクリフの「第9軍団のワシ」を読んでからローマ帝国がブリテンまでを傘下に治めた経緯などを知りたかったから。

カルタゴのハンニバルも常勝将軍だったけど、それを凌ぐカエサルの常勝ぶりがまた凄まじい。
シーザーといえばクレオパトラと愛人の関係にあったことくらいしか知らなかったのだけど、この本を読んでその英雄ぶりに驚いた。

共和制ローマの指導者は優れた政治家であると共に、優れた軍司令官でなければならなかった。このどちらにもおいても天才的な能力を発揮したシーザー。(う~ん、すごすぎる。しかも女性にもてまくったらしい。)
付け加えて最も興味深いのは、彼は古今の作家を唸らせる優れた文章家であったこと。ガリア征服の最高司令官であった彼自らが書いた「ガリア戦記」は2千年間も出版され続けている。

ブログを書くようになって文章を書くことの難しさを痛感している。
2千年間その文章力を絶賛されているカエサルを尊敬してしまう。
【2006/03/29 01:28】 | トラックバック(0) | コメント(0) | edit
ジャーヘッド 原作
ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白
ジャーヘッド-アメリカ海兵隊員の告白

来年2月公開の「ジャーヘッド」の原作を読んだ。
主演のジェイク・ギレンホールが大好きなものですから。

内容は海兵隊員だった作者のスオフォードが自らの湾岸戦争の体験を綴ったもの。

ジャーヘッドとはアメリカ海兵隊のことをさすが、それはジャーポットのように刈り上げる彼らの髪型からきている。

ところが映画化された程のこのベストセラー、非常に読みにくかった。

1つは、回想の入れ方がまずい。それじゃなくても状況がわかりにくいのに回想が入ると余計わからなくなる。時系列で書いてくれたほうがよっぽど良かった。
2つ目は、原文にスラングが多いせいもあると思うが、訳がおかしい。

ただ前線にいる兵士の猥雑感だけは、いやというほど解った。 

映画ではトロイはピーター・サースガード、シークがジェイミー・フォックス、ジョニーは誰がやるのだろう?出てこないような気がする。
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【2005/12/02 00:21】 | トラックバック(4) | コメント(5) | edit
イン・ハー・シューズ 原作
イン・ハー・シューズ
イン・ハー・シューズ

今月公開「イン・ハー・シューズ」の原作を読んだ。
もうすでに予告を何度も見てるので、キャストをイメージしながら読んだ。

540ページの2段書き。かなりのボリューム。
今どきの女性が書いたって感じだ。
「セックス・アンド・ザ・シティ」のDVDが出てくるし、姉のローズが靴だけはいいものをいっぱいもってるという設定もちょっとキャリーっぽい(キャリーが愛するマノロ・ブラニクの靴も出てきた)

ところでIn her shoesっていうのは、彼女の身になってみれば
という意味なんだそうだ。
もちろんストーリーにも靴が多く登場する。外見も性格も全く違うが、靴のサイズだけは全く同じ姉妹という設定だ。
とにかく読み終わったら、前向きになれるような内容だ。

映画はまだ見てないが、宣伝文句から想像するに、原作より数段感動的に仕上がってるようだ。カーティス・ハンソンは大好きな監督だし、マギー役にキャメロン・ディアスはぴったりだ。

イン・ハー・シューズ
イン・ハー・シューズ
←こっちの初期バージョンは既に定価より高くなっている!









あらすじはコチラ↓
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【2005/11/13 18:57】 | トラックバック(1) | コメント(0) | edit
トルストイ「戦争と平和」
戦争と平和 1 (1)
たまには大作でも読もうと思って読んでみた。
泣きたいくらい長かった。
タイトルからして、戦争の悲惨さでも訴えてるのかと思ったが、全くそんなところはなかった。
つまりそういう時代の作品である。

内容は、愛だの結婚だのについて語られているメロドラマの部。
時代の風雲児ナポレオン率いるフランスとロシアの会戦を描く戦争の部。
主人公達の精神世界が描かれる魂の部、に分かれると思う。

メロドラマの部は、ロシアの貴族社会の結婚が主に描かれている。貧乏貴族はとにかく金持ち貴族との縁組を熱望する。ここには平民と貴族の恋なんて入り込む余地はない。貴族社会でもこれだけの貧富の差があるのだから、農民達の苦しさなどは想像を絶する。しかしトルストイ自身、富裕な貴族なのでそんなこと知ったこっちゃないって感じである。この部分は読むスピードも各段に上がる。

次に戦争の部。これは仏VS露の、アウステルリッツの会戦、ボルジノの会戦が描かれている。
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【2005/04/24 17:40】 | トラックバック(1) | コメント(0) | edit
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